Y.Yさん
工事部
高校卒業後入社、三年目。
今年第一種電気工事試験に合格。
R.Kくん
工事部
専門学校卒業後入社、一年目。
在学中に第二種電気工事を取得。
Q:まずは人材育成の前に「電気工事」という仕事の内容について簡単に教えてもらえますか?
社長:電気工事自体のイメージはなんとなくわかりますよね。公共施設やオフィスビルなどの電気設備工事や保守メンテナンスが主な仕事です。この仕事には主に三つの職能があって、① 工事全体の運営・管理を行う「現場代理人」、② 実際に工具を持って工事を行う「電気工事士」、③ 現場調査・図面の拾いや積算を行う「現場調査・積算」に分かれます。必要だったり取得を目指す資格は1級電気施工管理技士、1種電気工事士など様々です。
Q:入社時点で「この人は現場代理人」など細かく振り分けを行うのですか?
社長:いえ、細かく言えばそれぞれに適性はありますが、新人がいきなり施工管理や予算策定は難しいので、まずは資格の有無に関わらず最初は現場を経験してもらうところからです。能田電気には「ブラザー制度」という仕組みがあり、各新人を担当する「ブラザー」にあたる社員を決めて、その人が責任を持って新人を育てています。もちろんブラザーに任せきりではなく、全社で新人はケアしますが、この制度を採るようになってから、採用後の定着率も良くなりました。
Y.Y:私のブラザーは桜井さんという先輩です。技術面はもちろん、社会人経験が無い自分に敬語の使い方から社会人としての振る舞い、豆知識までなんでも教えてくれますね。
R.K:僕のブラザーは遠藤さんです。日々、日報を書く際にその書き方まで、これは技術面ではなく文章の書き方とか、そんなことまで細かく教えてくれます。なんでも相談できる、社内で一番身近な先輩という立ち位置ですね。若く見えたので最初は20代だと思ったんですが、実際にはお子さんもいて35歳でブラザーというよりは大先輩でした。
社長:基本は教えることで先輩にも成長のキッカケをと思ってやっているので、部長職がブラザーに就くということは無い。中小企業は当たり前ながら、新卒を採るのは苦労するし、採った人は大切に育てたい。その気持ちが強すぎて、以前は年配者から中堅、若手まで悪くいえば「寄ってたかって新人を教えすぎる」という反省から、この制度は生まれているわけなんです。
ブラザーと新人は交換日記形式で毎日やり取りする。新人育成はひとりのブラザーに責任を持たせて、むしろ他の先輩はそのブラザーを指導して、結果的に会社全体で新人を育てるイメージですね。
Q:現場代理人を目指すのか、電気工事士を目指すのか、現場調査・積算の方向へ行くのかなどもそうですが、電気工事自体は必要な資格も様々ですよね。新人教育と資格取得はセットになってきますね。社長が考える資格取得、キャリアパスはどんな感じでしょうか?
社長:新卒で入ってきたら一年目はまず「やってみる」時期、優秀な技術者の下で、まずはなんでも挑戦してやってもらう。よく「仕事は見て覚えるもの」と言われますが、ノウダでは見るだけじゃなく「まずはやってもらう」環境を用意しています。
二年目は敢えて「失敗する」時期、小規模の物件を任せて先輩の監督下であえて失敗もさせてみる。ノウダには「失敗を尊重する」企業文化がある。「失敗をすること」が二年目の仕事ですね。
この経験を活かして、資材発注や社外業者との調整、契約調整など工事に関する知識を増やして、案件の利益管理への理解が深まってくるのが三年目から。この頃から仕事に必要な資格を取得していく必要があるので、めっちゃ忙しいけど充実してる、そんな時期になると思います。
Q:在学中に第二種を取得されていたR.Kさんは別として、まったくの未経験で三年目のY.Yさんもすでに第一種電気工事士に合格されているんですよね?
Y.Y:はい、第二種は一年目、第一種は今年合格しました。会社から講習会に行かせて貰ったり、実技の練習に付き合って貰ったり、「試験の時にこういうのが出たよ」というアドバイスも皆さんがしてくれるので、会社全体で後押しされた資格取得だったと思います。
Q:五年どころか二年で取っちゃってるじゃないですか。
社長:電気工事士以外にも施工管理(1級・2級)、消防設備士(甲種4種)、建設業経理士(1級・2級)など、取ったほうが良い資格というか、これがあるとさらに仕事に深みが出る、より高度なことが出来るという資格は電気工事系で他にも沢山あります。
先輩が皆通った道なので、Y.Yさんのように全社で経験や技術を伝えていける職人的な良さがある。一方で伝統工芸の職人さんとは違って、自分の経験や技術を「資格試験」という目に見える形で残してキャリアを残すことができる。これが電気工事という仕事の良さでもあります。
Q:なるほど。こうやって話を聞くとブラザーと経験を積んで、全社のバックアップを受けて資格を習得して、五年はあっという間ですね。一人前になったあと、六年目以降の活躍イメージも教えていただけますか?
社長:スローガンである「建設業として生まれ、サービス業として生きる」を体現できるようになるのがこの頃からだと思います。生涯一職人、というのではなく、ノウダは「全社営業」でやっているので、私たちの行うノウダの工事っていうのは、もう「サービス業」そのもの。私たちの考えるサービスを体現する場なんですね。
資格の裏付けができて現場でも経験を積むことで、工事が「現場」や「図面」ではなく、「サービス」として捉えられるようになる。案件ごとにPDCAサイクル(計画・行動・チェック・反省)を実行して、利益管理が出来て、ひとりで発注主や協力業者・社内との調整が出来て、工事を通して安全や品質を作り上げていけるようになる。そこまで五年で持っていくということです。
Q:ひとりでPDCAを回して大勢の人を動かせる。要するに会社の看板、顔みたいな存在になれるということですね。
社長:人を動かす、PDCAサイクルを実行するというのは電気工事に関わらず全ての仕事で必要なスキルだと思うから、まあこれだけ出来れば何処でもやっていけますよ。一応残って活躍して欲しいけど(笑)
Q:さて、インタビューも終盤。能田電気への応募を検討されている未来の新人にメッセージをお願いしたいところですが、女性の採用にも積極的でいらっしゃるんですよね?
社長:工事系、建設業と聞くと、どうしてもガテン系のイメージがあるでしょ。最近は男女問わず、そういうのは敬遠される傾向も強い。女性が働きやすい、入りたいと思う環境を作っていくのが、結果的に男女共に優秀な人材がノウダを選んでくれる近道だと思ってます。 実際経営者が「女性も大歓迎」と言ったところで、たとえば工事現場だと着替える場所の問題や簡易トイレを男女別で用意できるのかなど、男性中心で考えているとわからない「当たり前」や不便も多いんです。肩身の狭い思いをして着替えを遠慮したり、男女共用のトイレに入るのは抵抗がある。 ノウダは幸い新築工事はしない、改修工事専門で「すでにある」建物で仕事をする会社だから、女性用トイレや着替えの問題が出なかった。この幸運を活かして、建設業では難しいことも多いお子さんが生まれてもまた帰ってきて働ける会社、女性が働きやすい会社を目指していきたい。
Q:たしかに、サンシャインシティの中の営業所も「普通のオフィスビルにテナントとして入っている」という形でしたね。ちょっと私がイメージしていた工事現場とは違いました。
社長:「工事部に女性の方がいるのは珍しいですね」とか言われているうちはまだまだですね。採るだけではなく、女性雇用の効果を永続させる取り組みはこれからもどんどん続けていきたいです。
Q:最後に、本日参加いただいた皆さんに一言ずつ、今後の目標やこれから入社される方へのメッセージなどあればお願いします。
R.K:僕は先ほどお話したように、とにかく監督、電気工事で云うと現場代理人になることを目標に掲げています。まだ一年目で経験は全く足りていませんが、周囲の人を自分が思った通りに動かせるように、そして指示を受けた人が「R.Kの指示通り動けば間違いない」と思って貰えるような存在になりたいです。今はとにかくブラザーの指導を受けて、現場と資格の経験を積み重ねていきたいですね。
Y.Y:私はずっと「未経験」「女性」「畑違いの情報技術出身」と周囲に気を遣って育てて貰ったと思います。幸い三年で第一種電気工事士試験まで合格できたので、もっと他の資格も積極的に取って、あとは「女性なのに」「未経験なのに」ではなく、「三年目なのに凄いね」と驚かれるようになりたいです。あとはやっぱり怪我なく、無事故でひとつひとつ工事を続けていくことですね。
Q:ありがとうございました。
電気工事って
どんな仕事?
Q:まずはプロフィールから教えていただきたいのですが、Y.Yさんは入社何年目ですか?
Y.Y:高校卒業後に新卒採用で入社して、今年が三年目になります。工事部所属で、電気工事など現場に出る仕事がメインですね。
Q:元々建設業や工事現場に興味をお持ちだったのですか?
Y.Y:いえ、まったく。在学中に就職活動していましたが、能田電気は事務の求人を見て、事務職のつもりで話を聞きに来た感じです(笑)一応工業高校出身なんですよ。でも情報技術科だったので、電気は授業でちょこっとさわる程度で、知識も興味もあまり無かったです。話を聞いてる時、工事部長に熱心に勧誘されて、会社の雰囲気を見てて「なんか良いな」と感じて飛び込みました。
Q:工事現場って男性が多いイメージですが、戸惑うことは無かったですか?
Y.Y:工業高校で学校も男性が多かったので(笑)、あまり違和感は無かったです。珍しいとは思います。でもその分、会社一丸になって資格試験から現場での動き方まで大切に育てていただいたという気がしますね。
Q:なるほど。その辺りの人材育成についてはまた後ほど。続いてR.Kさんは何年目ですか?
R.K:僕はまだ入社一年目です。この業界で働きたくて専門学校で電気工事技術を勉強して、在学中に資格を取得して入社しました。
Q:対照的なお二人ということですね。R.Kさんが電気工事を志望されたきっかけ、理由はなんですか?
R.K:なんでしょう、あまりカッコ良い言葉では表現できませんが、監督になりたかったからですかね。現場監督。職人さんを動かして現場をコントロールして、モノを作っていく。そういう現場監督に憧れがありました。今はまだ勉強中なので、そうなれるのはまだまだ先の話ですけど。
Q:いいですね、夢がありますね。電気工事、工事現場と言うと失礼ながら採用や人材育成に苦労されているのではという先入観がありましたが、順調に若い方が育っていますね。
Y.Y:会社ってもっと堅いところだと思ってました。新人として入ると先輩・上司全員にひととおり怒られて、現場で職人さんに怒られて。実際はイメージと違って、私が言うとおかしいですが、みんなで娘のようにあたたかく見守ってくれていると感じます。統括部長の熊田さんがお父さんのような感じで包み込んでくれているような(笑)。
R.K:僕は男性ですが、アットホームさは感じます。早めに内定を貰ったので、ちょこちょこ誘われて会社には顔を出してて。入社前に社長が一度家に来て、僕の両親に挨拶をしてくれたんです。緊張しましたが、普通そこまでしてくれる会社はなかなか無いと思うので。